論文至上主義をゼロから考える〜その薬の効果はどのくらい?〜

猫好きの猫になりたい薬剤師です。どう医療に関わっていくか等々、薬剤師の一人である自身の感じたこと、考え方を投稿していきます。備忘録的な役割が大きいです。本ブログの記載内容については一切の責任を負えません。原著論文を参照して下さい。また情報の二次利用につきましては各々の責任でお願いいたします。記載内容に誤りがありましたら、ご指摘いただけますと幸いです。お問い合わせはこちらまで→【noir.van13@gmail.com】

Evidence-based medicine (EBM) 根拠に基づく医療

グレーブス(バセドウ)病の初期治療に適している薬はどれですか?(J Clin Endocrinol Metab. 2007; Free)

iPhoneで更新しました。後ほど再編集します(汗)→ 引越し先で再掲載します!2015.12.1 Comparison of methimazole and propylthiouracil in patients with hyperthyroidism caused by Graves' disease. Nakamura H et al. J Clin Endocrinol Metab. 2007. w…

メトホルミンは日本人2型糖尿病患者の血糖をどのくらい低下させますか?(代用のアウトカムですが需要ありますか?シリーズ①)

⌘ 背景・疑問 今日までメトホルミンによる 2型糖尿病患者の死亡や心血管イベント発生の抑制効果が示唆されている。またアメリカやイギリスでは、年齢や腎機能に関わらず第一選択薬として位置づけられている。 「果たして日本人での効果はどのくらいなのか?…

情報リテラシーを学び、実践し、振り返る 〜立てよ、薬剤師〜

またまた雑記 6月頃から暖めていた内容を AHEADMAP会報誌秋号に寄稿しました!! aheadmap.jimdo.com 奇しくも、ある方と一部内容がかぶりました。その方、「るるー主」さんのブログがこちら↓ ph-lelouch.com 私は常々、日常業務に Evidence-Based Medicine…

薬はどのくらいで安定した効果が得られ、どのくらいで体内からなくなりますか?(JAGS. 1976; Charge)

修正履歴:7.6時間→7.6日(2017.10.25ご指摘ありがとうございます!) ⌘ 疑問 薬はどのくらいで安定した効果、つまり定常状態に達するのか。そして、どのくらいで体内から消失するのか。 ⌘ 結論 Ritschel(リッチェル)理論に基づくと、定常状態に達する薬の…

Up-To-Date Evidence of DPP-4 inhibitors(Last UpDated: OCT 14th, 2017)

⌘ 背景 経口血糖降下薬である DiPeptidyl Peptidase-4 inhibitors(DPP-4阻害薬)のオマリグリプチンの非劣性ランダム化比較試験の結果が発表された(2017年)。これまでに発表されているアログリプチン(EXAMINE)、サキサグリプチン(SAVOR-TIMI53)、そし…

エビデンスは "ナマモノ" である 〜AHEADMAP会報誌夏号〜

今回は雑記です。論文の批判的吟味ではありませんw 一次情報に触れることの重要性について AHEADMAP 会報誌夏号に寄稿しました!! 2型糖尿病の治療を例に、前提を疑うことや論文情報について紹介しています!(18ページを参照) aheadmap.jimdo.com (もう…

カナグリフロジンは 2型糖尿病患者の心血管・腎イベント発生を抑制できますか?(CANVAS program; NEJM 2017; Free→charge)

Canagliflozin and Cardiovascular and Renal Events in Type 2 Diabetes. N Eng J Med. 2017 Jun 12. doi: 10.1056/NEJMoa1611925. [Epub ahead of print] Neal B et al. www.ncbi.nlm.nih.gov PMID: 28605608 ClinicalTrials.gov No.: NCT01032629(CANVAS…

SGLT2阻害薬は 2型糖尿病患者の全死亡リスクを低下できますか?〜Systematic Review & Meta Analysis〜(Acta Diabetol 2017; Charge)

Effects of SGLT-2 inhibitors on mortality and cardiovascular events: a comprehensive meta-analysis of randomized controlled trials. Monami M et al. Acta Diabetol. 2017 Jan;54(1):19-36. doi: 10.1007/s00592-016-0892-7. Epub 2016 Aug 4. www.n…

2型糖尿病治療における血圧や脂質、血糖コントロールはどのように行いますか?ほどほどでも何とかなりますか?(後向きコホート研究; PLoS One. 2014; Free)

All-Cause Mortality in Patients with Type 2 Diabetes in Association with Achieved Hemoglobin A1c, Systolic Blood Pressure, and Low-Density Lipoprotein Cholesterol Levels PLoS One. 2014 Oct 27;9(10):e109501. doi: 10.1371/journal.pone.010950…

ハイリスク高血圧患者における血圧コントロールのファースト・ラインは利尿剤?(ALLHAT trial; JAMA 2002; Free)

Major Outcomes in High-Risk Hypertensive Patients Randomized to Angiotensin-Converting Enzyme Inhibitor or Calcium Channel Blocker vs DiureticThe Antihypertensive and Lipid-Lowering Treatment to Prevent Heart Attack Trial (ALLHAT) The ALLH…

エンパグリフロジンは2型糖尿病患者の心血管イベントを抑制できますか?実はオープンラベルですか?(EMPA-REG OUTCOME: NEJM.2015 Free)

Empagliflozin, Cardiovascular Outcomes, and Mortality in Type 2 Diabetes. Zinman B et al.; EMPA-REG OUTCOME Investigators. N Engl J Med. 2015 Nov 26;373(22):2117-28. www.ncbi.nlm.nih.govPMID: 26378978 ClinicalTrials.gov No.: NCT01131676 【…

日本人2型糖尿病患者における低用量アスピリンの使用はアテローム性動脈硬化症の初発を予防できますか?(JAMA 2008: JPAD trial; Free)

www.ncbi.nlm.nih.gov PMID: 18997198 ClinicalTrials.gov No: NCT00110448 改訂あり:テーブル内の数値に誤りがあり、2017年2月までに本文修正が 2回あったようです。 The Japanese Primary Prevention of Atherosclerosis With Aspirin for Diabetes ( JPA…

EBM 実践における4つの輪(Evidence based practice における患者と医師の選択 BMJ 2002:Free)

www.ncbi.nlm.nih.gov Physicians' and patients' choices in evidence based practice.Haynes RB, et al. BMJ. 2002. PMID:12052789 "Evidence does not make decisions, people do" Figure.1 本文より引用 ⌘ 結論 "エビデンスは意思決定をしない、(意思…

Evidence-based medicine (EBM) の必要性(Therapie 1996:Abstract only):Dear Dr. Sackett ①

www.ncbi.nlm.nih.gov PMID:8881108 EBM の父、Sackett 先生の文献を読んでいこうと思い立ったので、気になった文献を読んでみたシリーズ①。 医師は常に最良のエビデンスに基づいて(診断や治療方針の)決定を下そうとする。このエビデンスは患者由来のデー…

プラズマ乳酸菌(JCM5805株)は風邪やインフルエンザを予防できますか?

www.ncbi.nlm.nih.gov PMID:26234407 UMIN 試験 ID: UMIN000017274 ⌘ 背景 Lactococcus lactis ssp.※ lactis JCM5805 は、マウスとヒト、両方の種において形質細胞様樹状細胞(plasmacytoid dendritic cells:pDC)を活性化するレアな乳酸菌である。pDC の…

Proton Pump Inhibitor (PPI) の長期服用による精子への影響はありますか?(Fetil Steril 2016 Abstract only:charge)

www.ncbi.nlm.nih.gov PMID:27743698 ⌘ 背景 これまでに Proton Pump inhibitor(PPI)長期使用により "認知症"、"低 Mg 血症"、"骨粗鬆症・骨折"、"ビタミン B12 の欠乏"、"鉄の欠乏"、"間質性腎炎"、"市中肺炎"、"感染性腸炎" 等のリスク増加が報告されて…

低用量アスピリン服用患者においてテプレノン(防御因子増強薬)とラベプラゾール(PPI)は消化性潰瘍の再発を予防できますか?(PLANETARIUM study)

www.ncbi.nlm.nih.gov (PMID: 25100080) Declaration of funding interests: This study was funded by Eisai Co., Ltd., Tokyo, Japan. Writing support was provided by Eisai. Data management and analyses were undertaken by Eisai. ⌘ 背景 消化性潰…

処方提案するときに心がけていることは何ですか?

本題に入る前にコトバと現象について触れておきたい。 私が当たり前と考えていることをコトバにしたい。 ある現象をコトバで説明しようとするときに各々、個々人の頭で考えている。 そんなの当たり前だ!と言われそうだがココが重要なのである。 コトバを発…

海外の臨床試験の結果を日本人に当てはめられますか?

EBMを実践しようと論文を読み始めたときに、ふと『海外のデータばかりだな、日本人に活用できるのかな?』と思った。 今考えるとナンセンスで、どーでも良いことなのだが、当時の自分にとっては重要だった。 そんなとき、ある先生のコトバに横っ面をひっぱた…

ピロリ菌の除菌治療は3剤より4剤の方が良いですか?

前回に続きピロリ関連の文献を紹介します。2016年 Lancet 誌に掲載された以下の論文です。 www.ncbi.nlm.nih.gov (PMID: 27769562) ⌘ それではPICOから P:ピロリ菌陽性*の 1620 人(20 歳超の男女) I :ビスマス 4 剤療法、10 日間 (2 クエン酸ビスマス 3…

ピロリ菌除菌後にすぐ検査すると偽陰性となるのはなぜですか?

背景:Helicobacter pylor(H. pylori)感染の診断と治療のガイドラインに以下の記載がある。またネット上では偽陰性を生じる薬剤として下記の薬剤が掲載されていた。 H.pylori感染の診断と治療ガイドライン (2009) 「PPI や一部の防御因子増強薬等、H. pylo…

EBMの父 David Lawrence Sackett とは?

臨床疫学という分野を初めて確立した医師 著書に Clinical Epidemiology や Evidence-based medicine (以下、EBM) がある EBM を実践したい、そのために理解したいと想う方は原著論文1) を読んでみてはいかがだろうか 偉大なる父の考えに触れ、何か得ること…