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論文至上主義をゼロから考える〜その薬の効果はどのくらい?〜

猫好きの猫になりたい薬剤師です。どう医療に関わっていくか等々、薬剤師の一人である自身の感じたこと、考え方を投稿していきます。備忘録的な役割が大きいです。本ブログの記載内容については一切の責任を負えません。原著論文を参照して下さい。また情報の二次利用につきましては各々の責任でお願いいたします。記載内容に誤りがありましたら、ご指摘いただけますと幸いです。

エンパグリフロジンは2型糖尿病患者の心血管イベントを抑制できますか?実はオープンラベルですか?(EMPA-REG OUTCOME: NEJM.2015 Free)

Empagliflozin, Cardiovascular Outcomes, and Mortality in Type 2 Diabetes.

 

Zinman B et al.; EMPA-REG OUTCOME Investigators.

N Engl J Med. 2015 Nov 26;373(22):2117-28.

www.ncbi.nlm.nih.govPMID: 26378978

ClinicalTrials.gov No.: NCT01131676

【資金提供】

ベーリンガー・インゲルハイムBoehringer Ingelheim

イーライ・リリーEli Lilly

 

【利益相反COI or 開示disclosure】

めっちゃある(本文参照)。個人的には "The trial was designed and overseen by a steering committee that included academic investigators and employees of Boehringer Ingelheim." という部分がかなり気になる。

 

 

⌘ 結論

標準治療へのエンパグリフロジン追加はハイリスク 2型糖尿病患者における心血管死を抑制した。

ただしブラインドが破綻している可能性と奇妙な試験結果、患者背景から日本人への外挿は慎重に行う必要があると考えられる。

 

 

 →2017.5.16追記

私的背景

先日 EBM勉強会に参加し本論文を読んだ。その中で気になった点がいくつかあったので再度、批判的吟味しつつ考えをまとめてみる。

 

 

⌘ RobotReviewerによる Risk of Bias Table

f:id:noir-van13:20170427002806p:plain

 

 

⌘ PICOT

P: 18歳以上の 2型糖尿病患者 7020例。心血管疾患の既往歴あり

(組入れ基準:BMI 45以下, eGFR 30 mL/min/1.73m2以上, ランダム化前の 12週間血糖降下薬を飲んでいない状態でHbA1c 7.0~9.0%,あるいは血糖降下療法を受けている安定した状態で HbA1cが 7.0~10.0%。

除外基準:早朝空腹時血糖 240mg/dL以上、肝疾患、組入れ前 3ヶ月以内に心臓手術や血行再建術が予定されている患者、eGFR 30 ml/min/1.73m2未満、減量手術、血液疾患、癌の既往歴、本薬を含め治療薬使用が禁忌の患者、抗肥満薬使用、全身性のステロイド使用、甲状腺ホルモンのタイトレーションを行っている患者、状態が不安定な内分泌疾患を有す患者、妊婦・授乳婦、アルコール依存・薬物依存、他臨床研究に参加中の患者、臨床的症状不良な患者、急性冠症候群・脳卒中・一過性脳虚血発作を有す患者)

I  : 標準治療へのエンパグリフロジン(商品名:ジャディアンス)10 mg あるいは 25 mg

C: 標準治療へのプラセボ追加

O: primary ---   3-point MACE

     (心血管死、無症候性心筋梗塞を除く非致死性心筋梗塞、非致死性脳卒中

  key secondary ---   primary outcome + 不安定狭心症による入院

T : ランダム化比較試験、プラセボ対照、非劣性試験FDA勧告に従いマージン1.3)、

   優越性についても検討(マージン1.0?記載無し)、追跡期間は中央値 3.1年(治療期間は 2.6年)

 

 

ランダム割り付けされているか?(観察者バイアスはないか?)

→されている。IVRS(Interactive Voice Response System)および Interactive Web Response System(IWRS)を採用。

→層別割り付けを実施。

 HbA1c:8.5%未満、8.5%以上

 BMI  :30未満、30以上

 eGFR  :30~59、60~89、90以上(ml/min/1.73m2

 居住地 :北米(+オーストラリア+ニュージーランド)、ラテンアメリカ、ヨーロッパ、アフリカ、アジア

 

 

⌘ ブラインドされているか?(マスキングにより観察者バイアスは抑えられているか?

→一応されている。破綻している可能性については後述。ハードエンドポイントだからそこまで影響無いかもしれない。

 

 

⌘ 隠蔽化されているか?(選択バイアスはないか?)

→されていると判断。中央割り付けであるため。

 

 

⌘ プライマリーアウトカムは真か?明確か?

→真であると判断した。ただし複合エンドポイントである点を考慮する必要がある。

 

 

⌘ 交絡因子は網羅的に検討されているか?

→概ねされていると判断した。CRPBNPがあっても良いかも。

あとウエストサイズ。←あかん。これはエビデンスなかった(2017.5.16追記)。

 

 

⌘ Baseline は同等か?

→概ね同等であると判断した(Appendix Table S2参照)。

 

 

⌘ ITT 解析されているか?

→改変 ITT解析。最初は 7028例だったが、結果は 7,020例の解析だった。Full Analysis Set(FAS)である。

 

 

⌘ 追跡率(脱落)はどのくらいか?結果を覆す程か?

FASなのでほぼ100%(99.89%)。一応、追跡率 8割を切っているので脱落が多い気はする。リアルワールドではこのぐらいなのかな?非劣性試験のため Per Protocol Analysis(PPA)との比較も重要だが、この程度の脱落ならば差はなさそうである。

 5,029 / 7,020 =71.6%(Appendix Figure S1より計算)

 

 

⌘ サンプルサイズは充分か?

→ 691と計算されており、primary outcomeは 772例と症例数も充分(多過ぎ?)。

 

 

⌘ 結果は?

f:id:noir-van13:20170427015118p:plain

(Figure 1:本文より引用)

 

f:id:noir-van13:20170427015106p:plain

(Table 1:本文より引用)

 

Primary Endpoint(標準治療への追加効果)

 エンパグリフロジン群(10 mg + 25 mgのプール):10.5%

 プラセボ群 :12.1%

HR =0.86(95%CI =0.74〜0.99)

非劣性(両側;マージン1.3)  :P <0.001

優越性(片側;マージン不明):P =0.04

RR   =0.87

RRR =0.13(13%)

ARR =1.6%

NNT =63人

 

Key Secondary Endpoint

 エンパグリフロジン群(10 mg + 25 mgのプール):12.8%

 プラセボ群 :14.3%

HR =0.89(95%CI =0.78〜1.01)

非劣性(両側;マージン1.3)  :P <0.001

優越性(片側;マージン不明):P =0.08  有意差無し

 

--- その他のアウトカム ---

→全死亡

 エンパグリフロジン群(10 mg + 25 mgのプール):5.7%

 プラセボ群 :8.3%

HR =0.68(95%CI =0.57〜0.82)   P <0.001

 

→心血管死

 エンパグリフロジン群(10 mg + 25 mgのプール):3.7%

 プラセボ群  :5.9%

HR =0.62(95%CI =0.49〜0.77)   P <0.001

 

→致死性 or 非致死性心筋梗塞(無症候性心筋梗塞を除く)

 エンパグリフロジン群(10 mg + 25 mgのプール):4.8%

 プラセボ群 :5.4%

HR =0.87(95%CI =0.70〜1.09)   P =0.23

 

→無症候性心筋梗塞

 エンパグリフロジン群(10 mg + 25 mgのプール):4.5%

 プラセボ群 :5.2%

HR =1.28(95%CI =0.70〜2.33)   P =0.42

 

→不安定狭心症による入院

 エンパグリフロジン群(10 mg + 25 mgのプール):2.8%

 プラセボ群 :2.8%

HR =0.99(95%CI =0.74〜1.34)   P =0.97

 

→冠動脈血管再建術

 エンパグリフロジン群(10 mg + 25 mgのプール):7.0%

 プラセボ群 :8.0%

HR =0.86(95%CI =0.72〜1.04)   P =0.11

 

致死性 or 非致死性脳卒中

 エンパグリフロジン群(10 mg + 25 mgのプール):3.5%

 プラセボ群 :3.0%

HR =1.18(95%CI =0.89〜1.56)   P =0.26

 

非致死性脳卒中

 エンパグリフロジン群(10 mg + 25 mgのプール):3.2%

 プラセボ群:2.6%

HR =1.24(95%CI =0.92〜1.67)   P =0.16

 

一過性脳虚血発作(TIA

 エンパグリフロジン群(10 mg + 25 mgのプール):0.8%

 プラセボ群:1.0%

HR =0.85(95%CI =0.51〜1.42)   P =0.54

 

心不全による入院

 エンパグリフロジン群(10 mg + 25 mgのプール):2.7%

 プラセボ群 :4.1%

HR =0.65(95%CI =0.50〜0.85)   P =0.002

 

心不全による入院 or 心血管死(致死性脳卒中を除く)

 エンパグリフロジン群(10 mg + 25 mgのプール):5.7%

 プラセボ群:8.5%

HR =0.66(95%CI =0.55〜0.79)   P <0.001

 

 

⌘ 考察

観察期間は約 3年であり、心血管イベントを抑制するには少し短いという印象。事実、DPP-4阻害薬であるシタグリプチン(商品名:ジャヌビア / グラクティブ)の大規模臨床試験TECOS(PMID:26052984)では、観察期間 3年(中央値)でプラセボ群に対して非劣性までしか示せていないプラセボの非劣性って、もう経過観察で良くないですか?)。しかしエンパグリフロジンは、たった 3年?でプライマリーアウトカムに対し非劣性だけでなく優越性も示した(あくまで非劣性試験であり優越性については両側マージンを設定し、再度試験する必要があるがコストかかる。マージン1.0?も妥当と言って良いかどうか疑問)。DPP-4阻害薬の大規模臨床試験については患者背景が異なるという指摘もある。低血糖症状を引き起こさないようハイリスク患者は除外されているため効果を拾えていないという主張。この議論については次回以降ブログで取り上げたい。

 

 メトホルミン(商品名:メトグルコ)以来の心血管イベント抑制は非常にインパクトがあり、臨床的にも有益な結果であると考えられる。しかし標準治療の上乗せ、add-onによる効果であることは留意する必要がある。つまり 2型糖尿病の治療戦略において、エンパグリフロジンが血管合併症予防のファーストラインにはならないということ。腎機能が過度に低下していない症例に対しては、まずメトホルミンを最大用量まで増量してから、エンパグリフロジン追加について患者と shared decision making しても良いのではないでしょうか(もちろん乳酸アシドーシスについては注意深く経過観察する)。

 

 また SGLT2阻害薬カナグリフロジンの臨床試験 Canagliflozin Cardiovascular Assessment Study (CANVAS) trialの中間解析で "下肢切断リスク上昇の可能性" が示唆されており、FDAから安全性情報が発出されています(下記サイト内より抜粋)。従って 現時点で SGLT2阻害薬は、糖尿病治療のセカンドラインサードラインにも成り得ないのではないかなと個人的には考えています(患者背景にもよりますが)。

Canagliflozin (Invokana, Invokamet): Drug Safety Communication - Clinical Trial Results Find Increased Risk of Leg and Foot Amputations

 

 心血管疾患の既往歴を有すハイリスク 2型糖尿病患者においては、血圧や脂質コントロールが心血管疾患の予防に重要ではないか、との意見もある(PMID:23992603)。血糖コントロールの指標である HbA1cについては、下げ過ぎはむしろ害となることが ACCORD試験(PMID:18539917)をはじめ相次いで報告されている。今一度「必要な患者に、必要な薬を、必要な用量、必要な期間」、使用するということに対して各々が考え、向き合う必要があるのではないでしょうか。

 

 

-------

⌘ 考察その 2

 本試験あるいは他の報告で気になった点を以下に考察していこうと思う。

①ブラインドは破綻していた?

f:id:noir-van13:20170427015352p:plain

(Figure 3:本文より引用)

 本試験は 42ヶ国、590施設で実施された。Figure 3の結果から投与 3ヶ月後にはエンパグリフロジン群で HbA1cが 0.7%程度低下している。プラセボ群が 0.1〜0.2%ぐらいの下がり幅であるため、一部の施設でブラインドは破綻していたのではないでしょうか。そうするとエンパグリフロジン群で心不全による入院が有意に低下しているのも納得がいく。ただブラインドであろうと無かろうと全死亡・心血管死というハードエンドポイントに有意な差があるため、本試験結果は妥当であると考えられる。ここで言いたいことは PROBE法でハードエンドポイントだけ見ればコストカットできたのではないかということ。

 

②心血管死の減少は心不全の抑制?それとも。。。

 勉強会参加時にも話にあがりましたが、はたしてエンパグリフロジンの全死亡リスク低下はどのようにもたらされているのでしょうか? 2016年に発表された "サブグループ解析" 論文(PMID;26819227)において、ベースライン時の心不全の有無とは関係なくエンパグリフロジンが心血管死および心不全による入院を減少させた可能性が示唆されています。サブグループ解析であるため、あくまで "仮説生成" ですがエンパグリフロジンの心血管イベント抑制効果は心不全の増悪抑制ではない可能性が考えられます。これはメイン論文の Table S5をみても分かります(以下参照)。モヤモヤする。

 

f:id:noir-van13:20170501005232p:plain

(Table S5:Supplementary Appendix より引用)

各エンドポイントの絶対差

→ 突然死               =0.4%

心不全の増悪    =0.6%

→ 急性心筋梗塞    =0.2%

脳卒中               =0.2%

→ 心原性ショック =0.0%

→ 他の心血管死     =0.8%(イベント数でみるとこれが多い)

 

③作用機序の一部は利尿薬と同じ?

 面白いアプローチでエンパグリフロジンの心血管イベント抑制効果を説明しようとしている研究者もいます。本論文(PMID:27291329)では、エンパグリフロジンの心血管への有益な効果は尿中への糖排出ではなく、これに伴う利尿作用によるものではないかという仮説に基づき文献検索を行ったナラティブレビュー。結果はよく分からんとのこと。新しい知見を待っているようです。

 

 ④10 mgと 25 mgをプールして解析したのはなぜか?

 不明だが、デザイン論文にも 2群プールして解析する旨が記載されているため、キーオープンしてから解析方法を変えたわけではない。

 メリットとしては、試験実施側が informed consentを患者から取りやすくなる、患者側は1/2(50%)よりも 2/3(66.7%)、つまり絶対差で 16.7%試験薬に割り付けられる可能性が増えるため、ある種 Win-Win の関係と言えるだろう。

 

閑話休題:個人的には臨床試験を人体実験と捉えているため、"新しかろう良かろうという" という風潮には違和感を覚える。薬はベネフィットだけではなく必ずリスクが伴うことも伝えていきたい。しかし、そんなこと言ってたら新薬開発は進まない。新薬により恩恵を受ける患者がいることも重々理解しているつもりである。例えば近年、急速に市場を拡大しているC型肝炎治療薬は、間違えなくリスクよりベネフィットが優っている。C型肝炎から肝硬変、肝がんへの移行、これに伴う治療費、治療期間を考慮しても、やはり使う方が良いという結論に達した)

 

 プラセボ群、試験薬群を 1: 2で割り付けるデザインの亜型?と捉えても良いかもしれない。従って、10 mg群、25 mg群で各々、プラセボと比べ有意差が出なかったのも納得できる。単純にサンプル数が足りないのだ。

 

 ただし、プライマリーエンドポイントのイベント数が多過ぎる点は気にかかる。実際は 772例と、サンプルサイズ 691例よりもかなり多い。プライマリーエンドポイントの 95%信頼区間は 0.74〜0.99であり、症例数が少なくなったとしても非劣性マージン 1.3をまたがなかったかもしれない。しかし優越性は認められなかったかもしれない。←またまた勘違い。非劣性試験なので症例数は多い方が良く、少なければ少ない程、非劣性を達成しやすい。脱落が多い場合も非劣性を証明しやすいため、この場合は ITT解析と Per Protocol 解析との比較が重要となる。つまり本試験の症例数は充分である。しかし優越性についてはどうだろうか?(2015.5.16追記)

 

モヤモヤしつつ以上としたい。

日本人2型糖尿病患者における低用量アスピリンの使用はアテローム性動脈硬化症の初発を予防できますか?(JAMA 2008: JPAD trial; Free)

www.ncbi.nlm.nih.gov

PMID: 18997198

ClinicalTrials.gov No: NCT00110448

改訂あり:テーブル内の数値に誤りがあり、2017年2月までに本文修正が 2回あったようです。

 

The Japanese Primary Prevention of Atherosclerosis With Aspirin for Diabetes ( JPAD) trial.

 

⌘ 結論

日本人 2型糖尿病患者のアテローム動脈硬化症に対するアスピリンの一次予防効果は無かった。

 

 

f:id:noir-van13:20170314002728p:plain

Additional Figure : Risk of Bias Table made by the RobotReviewer: Automating evidence synthesis

 

→RCT だったので RobotReviewer を使用してみました、各 Risk of Biasは "low" のようです。Google 翻訳もそうですが科学の進歩には驚かされます。

 

 

⌘ 背景

糖尿病は心血管イベントの強力な危険因子である。Framingham Heart Study において、糖尿病は男女それぞれ 1.5と 1.8の冠動脈疾患のオッズ比と関連し、男性と女性の脳卒中の相対リスクはそれぞれ 1.4と 1.7であると報告されている。 糖尿病患者は、健常人よりも心血管イベントを発症するリスクが 2〜4倍高いことも報告されている。
   過去の報告では、心血管イベントの二次予防戦略としてアスピリン療法が確立されており、研究成果がいくつか報告されている。また臨床ガイドラインでは、冠状動脈疾患の危険因子を有するヒトは、一次予防および二次予防のためにアスピリンを投与することが推奨されている。

   米国糖尿病学会は、特に心血管リスクが高い(40歳以上、冠状動脈疾患、高血圧、喫煙、脂質異常症、またはアルブミン尿症等の家族歴など、リスク要因を有する)糖尿病患者の一次予防戦略として、アスピリンが禁忌で無い限り、積極的な使用を推奨している。しかし一次予防におけるアスピリン臨床試験データは限られている。

   アスピリンの一次予防効果については、いくつかの大規模臨床試験のサブグループ解析で報告されている。しかし糖尿病のサブグループ解析においては、パワー不足、つまり症例数が不十分であるため心血管イベントの有意な抑制効果は示されていない。したがって、糖尿病患者を対象に、アスピリンの一次予防効果を検討する試験が求められている。
   The Japanese Primary Prevention of Atherosclerosis With Aspirin for Diabetes (JPAD) 試験は、2型糖尿病患者における低用量アスピリン使用が、アテローム動脈硬化症の一次予防に有用であるか否かを検討した。

 

 

⌘ PICOT

P: 30~85歳の 2型糖尿病患者 2539例(男女、BMI:24、日本の163施設)

除外基準: 心電図で ST低下や ST上昇、または病理学的 Q波; 冠状動脈造影で冠動脈心疾患の病歴; 脳梗塞くも膜下出血くも膜下出血、および一過性虚血発作からなる脳血管疾患の病歴; 治療を必要とする動脈硬化性疾患の病歴; 心房細動; 妊娠; アスピリン、チクロピジン、シロスタゾール、ジピリダモール、トラピジル、ワルファリン、およびアルガトロバンの使用; 重度の胃または十二指腸潰瘍の病歴; 重度の肝機能障害; 重度の腎機能障害、およびアスピリンに対するアレルギーを有す患者

I: 81 mg あるいは 100 mg アスピリン 1日 1回投与(1262例)

C: 無し(1277例) →なぜプラセボ対象ではないのか?後述します。

O: Primary --- アテローム動脈硬化(①突然死;  ②冠状動脈あるいは脳血管、胸部大動脈を原因とする死亡;  ③非致死的な急性心筋梗塞; 不安定狭心症;  新規の労作性狭心症;  ④非致死的な虚血性あるいは出血性脳卒中;  ⑤一過性脳虚血発作;  ⑥非致死的な大動脈あるいは末梢血管疾患(閉塞性動脈硬化疾患や大動脈乖離、腸管膜動脈血栓症   上記 6つの複合

 Key Secondary --- Primary endopointを含めたあらゆる原因による死亡;  有害事象(胃腸障害および出血性脳卒中以外の全ての出血イベント)

T: ランダム化比較試験(PROBE法);  予防効果;  試験期間 4.37 年 (95% CI, 4.35-4.39)

 

 

⌘ ランダム割り付けされているか?(観察者バイアスはないか?)

→乱数表を用いた非層別単純ランダム割り付けが行われている(コンピュータを用いた疑似乱数だが問題無しと判断した)。

The randomization was performed as nonstratified randomization from a random number table.

 

 

⌘ ブラインドされているか?(マスキングにより観察者バイアスは抑えられているか?

→オープンラベル。アウトカムは第 3者委員会により評価された。狭心症TIAのイベント数が気になる。

All potential primary end points, secondary end points, and adverse events were adjudicated by an independent committee on validation of data and events that was unaware of the group assignments.

 

 

⌘ 隠蔽化されているか?(選択バイアスはないか?)

→封筒法を採用。隠蔽化concealment されていると判断した(封筒が透けていないことを祈る)。

The study center prepared the sealed envelopes with random assignments and distributed them by mail to the physicians in charge at the study sites. 

 

 

⌘ プライマリーアウトカムは真か?明確か?

真であると判断した。ただし複合エンドポイントである点を考慮する必要がある。

 

 

⌘ 交絡因子は網羅的に検討されているか?

→Table 1及び本文より、可能な範囲で検討されていると判断した。使用薬剤は以下の通り。

f:id:noir-van13:20170319150733p:plain

(本文より一部抜粋)

 

⌘ Baseline は同等か?

→Table 1 より概ね同等であると判断した。

(個人的には糖尿病罹患期間と神経障害関連疾患にやや偏りがあると感じた)

 

 

 ⌘ ITT 解析されているか?

→されている。Table 1、Figure 1、Figure 2の数字も問題なし。

 

 

⌘ 追跡率(脱落)はどのくらいか?結果を覆す程か?

→脱落数は両群とも同様。ITT解析の為、追跡率は100%と判断。結果については後述。

(per protocol analysis の場合の追跡率は以下の通り。一応算出。)

アスピリン投与群:1165/1262 =92.3% (7.7%)

対照群:1181/1277 =92.5% (7.5%)

 

 

⌘ サンプルサイズは充分か?

→計算されており、2539例と症例数も充分。

The incidence of cardiovascular death, myocardial infarction, and cerebrovascular events were 7.5, 7.5, and 8.0 events per 1000 Japanese diabetic patients per year, respectively.

Based on a 2-sided level of .05, a power of 0.95, an enrollment period of 2 years, and a follow-up period of 3 years after the last enrollment, we estimated that 2450 patients would need to be enrolled to detect a 30% relative risk reduction for an occurrence of atherosclerotic disease by aspirin.

 

内的妥当性については RobotReviewer の結果と概ね同様であった。

 

 

⌘ 結果は?

本文より以下、Table 2および Figure 2を引用

f:id:noir-van13:20170319135246p:plain

f:id:noir-van13:20170319135316p:plain

Primary endpoint(アテローム動脈硬化症のイベント数):

アスピリン投与群 68例5.4%;13.6例/1000人・年)、対照群 86例6.7%;17.0例/1000人・年)で両群間に有意差は認められなかった。

ハザード比は 0.80(95% CI: 0.58~1.10, p=0.16) 。also see above Figure 2.

 

→致死的な冠動脈+脳血管イベント:

アスピリン投与群で 1例(脳卒中)、対照群で 10例(心筋梗塞 5例;  脳卒中 5例)。

ハザード比は 0.1095% CI: 0.01~0.79, p=0.0037)。

 

→冠動脈疾患(致死的+非致死的):

アスピリン投与群で 28例、対照群で 35例。

ハザード比は 0.8195% CI: 0.49~1.33, p=0.40)。

 

→致死的な心筋梗塞

アスピリン投与群で 0例、対照群で 5例。

ハザード比は計算できず

 

 

→非致死的な心筋梗塞

アスピリン投与群で 12例、対照群で 9例。

ハザード比は 1.3495% CI: 0.57~3.19, p=0.50)

 

→不安定狭心症

アスピリン投与群で 4例、対照群で 10例。

ハザード比は 0.495% CI: 0.13~1.29, p=0.13)

 

 

→安定狭心症stable angina(ここは誤字だと思われる。Methodsでは newly developed exertional anginaで、試験中新たに増悪した労作性狭心症である。):

アスピリン投与群で 12例、対照群で 11例。

ハザード比は 1.195% CI: 0.49~2.50, p=0.82)

 

 

→脳血管疾患(致死的+非致死的):

アスピリン投与群で 28例、対照群で 32例。

ハザード比は 0.8495% CI: 0.53~1.32, p=0.44)

 

 

→致死的な脳卒中

アスピリン投与群で 1例、対照群で 5例。

ハザード比は 0.2095% CI: 0.024~1.740, p=0.15)

 

→非致死的な脳卒中

①虚血性

アスピリン投与群で 22例、対照群で 24例。

ハザード比は 0.9395% CI: 0.52~1.66, p=0.80)

②出血性

アスピリン投与群で 5例、対照群で 3例。

ハザード比は 1.6895% CI: 0.40~7.04, p=0.48)

 

 

 

→一過性脳虚血発作

アスピリン投与群で 5例、対照群で 8例。

ハザード比は 0.6395% CI: 0.21~1.93, p=0.42)

 

 

→末梢血管疾患

アスピリン投与群で 7例、対照群で 11例。

ハザード比は 0.6495% CI: 0.25~1.65, p=0.35)

 

 

→全死亡:

(本文に記載あり)

アスピリン投与群で 34例、対照群で 38例:HR 0.90;0.57~1.14(p=0.67)。

 

→有害事象

脳出血と胃腸出血は両群同様であった、との記載が本文中にあるが、どう見てもトータルのイベント数はアスピリン投与群の方が多い(本文より Table 3を引用)。

f:id:noir-van13:20170319150025p:plain

 

→サブ解析
65歳以上(両群の合計 1363例: アスピリン投与群 719例、対照群 644例)において、アテローム動脈硬化症は、アスピリン投与群で 45例(6.3%)、対照群で 59例(9.2%)と両群間に有意な差があった。一方、65歳未満では有意差はなかった。

ハザード比は 0.68(95%CI: 0.46~0.99, p=0.047)。

 

⌘ 考察

日本人 2型糖尿病患者のアテローム動脈硬化症に対するアスピリンの一次予防効果は認められなかった。

   サブ解析にて 65歳以上に有用である可能性が示唆されたが、あくまで仮説生成。

   本試験はプラセボ対象ではない。理由は本文に記載されていた(The Japanese Pharmaceutical Affairs Law limits the use of placebo in physician-initiated studies because it is an unapproved medicine. )。医師主導の治験においては、薬事法(現:薬機法)で承認されていないプラセボ薬は使用できなかったとのこと。訳のわからない理由である。

   アスピリン投与群で 97例、対照群で 96例の脱落があった。また各アウトカムのイベント数は、海外と比較するとかなり少ない。したがって脱落した症例が試験を完遂した場合、結果を覆す可能性は充分にあると考えられるが、脱落しなかったとしても、このぐらいのイベント数かもしれない。あるいは Baseの治療薬の影響が大きいのかもしれない。

   血圧は、アスピリン投与群で平均 136±15 / 77±9、対照群で 134±15 / 76±9 とコントロール良好。脂質パラメータは、総コレステロールアスピリン投与群 202 vs. 対照群 200) 、中性脂肪(135 vs. 134)、HDL-cho(55 vs. 55)、どれも両群間で同様。上記の値をもとに算出した LDL-cho(120 vs. 118.2)、LH比(2.18 vs. 2.15)も同様であった。

   オープンラベルであるが狭心症をはじめとするソフトエンドポイントに差異は無かった。

   個人的には JPAD2や他の国内臨床試験と比較してみたい試験である。

ポリファーマシーは必要悪?(BMJ 2013:Free)

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www.ncbi.nlm.nih.gov

PMID:24286985

 

⌘ 私的背景

ポリファーマシーというコトバが一人歩きしているのは言うまでもない。個人的には "5剤以上使用している" ただの状態と捉えている。

2013年に BMJへ掲載された『Polypharmacy: a necessary evil』という何ともキャッチーな論文に出逢ったので読んでみた。

 

⌘ 以下、本文

ポリファーマシーというコトバが最初に医学文献に登場したのは 150年以上前である。この問題には緊急に対応する必要があると King’s Fund※のレポートにて報告されている(King’s Fund. Polypharmacy and medicines optimization: making it safe and sound. 2013. https://www.kingsfund.org.uk/)。
 

イングランドにおける 1人あたりの平均処方薬剤数は、2001年の 11.9から 2011年の 18.3と、過去 10年間で実に 53.8%増加した(Health and Social Care Information Centre. Prescriptions dispensed in the community, statistics for England, 2001-2011. 2012. http://content.digital.nhs.uk/catalogue/PUB06941)。

 

またスコットランドの 300,000人以上の患者を対象とした調査では、1995年から 2010年の間に 5種以上の薬剤を服用する患者の割合が 12%から 22%に増加し、10種以上では 1.9%から 5.8%に上昇した(see below Figure)
高齢者の場合、この数値はさらに高く、65歳以上の患者 6人に 1人が 10以上の薬剤を飲んでいるThe rising tide of polypharmacy and drug-drug interactions: population database analysis 1995-2010. - PubMed - NCBI

f:id:noir-van13:20170307004930p:plain

Proportion of patients in Scotland receiving more than one drug, 1995 and 2010.

Figure:本文より引用

 

ポリファーマシーの増加は、高齢化とフレイル人口の増加によって益々推進されており、その多くは複数の長期的状態を有している。加えて、脳卒中や急性心筋梗塞などの重大なイベントリスクを軽減するために、複雑な予防レジメンが処方されている。

「ポリファーマシーは必要悪、つまり必要不可欠である」と Martin Duerdenは言った。彼は一般開業医であり、かつ King's Fundレポート「Polypharmacy and Medicines Optimisation: Making It Safe and Sound」の共著者でもある。彼は「これ、つまりポリファーマシーにはいつも悩まされていましたが、今ではポリファーマシーが現代医学の一部でなければならないと承知しています。しかし我々は多剤併用療法を実施する上で、最も効果的かつ害の少ない薬剤使用を確実にするための努力が必要です」と述べている。

 

King's Fund レポートによると個々の患者におけるポリファーマシーとは、複数の薬剤を同時に使用することと定義しており、それは適切にも問題(不適切)にもなり得る。

最良のエビデンスに従って処方され、最適化された薬剤が使用された時、それは適切なポリファーマシーであり、平均余命を延ばすだけでなく患者の QOLをも向上できる。
しかし不適切なポリファーマシーは、患者のコンプライアンスQOLに影響を及ぼすだけでなく、相互作用や有害な薬物反応リスクを増加させる可能性がある。King's Fund レポートには、医師、看護師、薬剤師のための多併存疾患とポリファーマシーの管理に関するより良い訓練が求められている。一般的な訓練コンサルタントは、複数の条件を有す患者が薬物治療をレビューするために充分な時間を割けるよう長くすべきであると述べている。個々の薬剤が他の薬剤との関連において、それぞれの薬剤が適切にまたは不適切に処方されているかどうかを考慮する必要がある。


Need for formal consideration 正式検討の必要性
10年前に 4つあるいはそれ以上の薬剤使用を閾値とし、この状態は高頻度に検討されてきたが
、現在この状態は一般的である。しかし処方薬剤の数が増えるにつれて、処方ミス、高リスク処方、薬物有害事象の危険性が増しているという明確なエビデンスが今や明らかとなっている。
一般的な訓練としては、10種類以上の薬剤を定期的に服用している患者と、4種以上の薬剤を服用している患者に対し薬物相互作用の可能性など、別のリスク要因がある患者の処方を見直すことを、実用的なより良いアプローチとしてあげている。慢性疾患の有病率は増加しており、多くの患者はいくつかの症状を自覚している。

 

各々の患者が国のガイドラインに従って治療される場合、複雑な薬剤カクテルを処方されることになる。 Keele 大学にて一般診療と疫学の上級講師を務める Umesh Kadamは次のようにコメントしている。「ポリファーマシーは、高齢者だけでなく慢性疾患患者にとっても問題である。慢性疾患ガイドラインは複数の薬物を推奨しているため、患者はかなりの薬物を処方されるが、これと同時に患者はとても混乱させられる可能性がある」。

「現在のケアモデルにおいて、我々は複数の薬剤処方に体系的なアプローチをとっていません。したがって多併存疾患を有す患者において、ポリファーマシーは益々重要な問題となっています。」と彼は付け加えている。また、King's Fund レポートでは多併存疾患とポリファーマシー(問題)を有している患者が参加する臨床試験のさらなる実施を要求している。

 

Martin DuerdenBMJに次のように語っている。「多併存疾患は 65歳を超える患者にとっては一般的なことです。しかし我々の研究のほとんどは単一の疾患に基づいており、複雑な病的状態の患者を排除する傾向があります。我々のエビデンスは非常に珍しい患者に基づいています。」

もう1つの推奨事項は、糖尿病、冠状動脈性心疾患、心不全および慢性閉塞性肺疾患のような一般的に共存する長期的なコンディションを考慮したエビデンスに基づくガイドラインの開発である。さらに、一般開業医 general practitioners(GPs)の成績目標を定めた品質と成果の枠組みは、単一疾病の治療改善ではなく、いくつかの長期的な(疾病)状態を有す患者のニーズに重点を置くよう見直されるべきである。


リバプールエイントリーにある大学病院の Ageing and Chronic disease 研究所の
John Wilding教授は BMJに次のように語っています。「ポリファーマシーは(疾患)全てに対する(治療)目標と、全て(の疾患)に対するガイドラインの意図しない結果です。例えば、患者が 15種類の薬剤を使用していることをあなたが知る前に、すでに彼らは糖尿病登録簿、冠状動脈性心臓病登録簿、そして慢性閉塞性肺疾患登録簿に登録されている可能性があります。」

Minimising patient burden 患者の負担を最小限に抑える
King's Fund レポートは、増分処方または "処方カスケード" に対して警告している。これは臨床医が処方した 1つの薬剤によって症状が引き起こされたことを認識せず、この有害作用を解消する為に別の薬剤を処方することを指す。
John Wilding教授は次のように述べています。「もし患者が血糖値を適切に管理していなければ、実際にはあまりにも多くの薬剤が処方され、適切に服用していないために別の薬剤が投与されることがあります。薬剤を服用することで、どのくらいの負担を有しているのか患者から引き出すことが重要です」


King's Fund レポートによると、医薬品使用において多くの人々が最適なベネフィットを超えた、つまり過剰な医療を受けていた。治療を開始する時期について多くのアドバイスがあるが、治療を中止する決定を支援するための情報やエビデンスについては、はるかに少ないと指摘している。

長期的にのみ利益をもたらすであろう処方薬を一部の患者が依然として服用している場合がある(漫然投与)、これは人生の終わりに向かう上で特に懸念事項である。

 

Martin DuerdenBMJに次のように語っています。「一般的に、医師が薬剤処方を止めることはあまりありません。代わりに薬剤を加える傾向があります。特に高齢のフレイル患者の場合、薬剤が真に有益であるかどうかを評価することが重要です。例えば、身体機能の低い老人ホームの患者は、数年以上生活することはないでしょう(つまり寿命は短いでしょう)が、スタチンを服用し続けても恩恵を受けることは恐らく無いでしょう。」

彼は「患者とその家族との間で全ての薬剤について服用(継続)あるいは使用中止について議論することが重要だ」と付け加えた。

 

King's Fund レポートは患者の全体的ニーズを誰も考慮していない可能性があるため、医師の専門性向上に対処する必要があると報告している。つまり多併存疾患を有す患者は包括ケアをコーディネートできる一般臨床医にアクセスする必要があると説いている。また患者は疾患特有のクリニックを受診するのではなく、自身のケアコーディネーターである臨床チームによって、1度の診察で全ての長期的コンディションを見直されるのが理想である。

 

King's Fund レポートは、患者の治療について情報に基づいた選択をすることができるように患者を関与させることが重要であると指摘している。多くの患者が不愉快な雑事として多数の薬剤を服用していることが分かり、これは QOLを損なう可能性がある。

いずれにしても患者は、処方医が意図する薬を服用しない場合が多く、処方薬剤の多くは未使用または無駄になる。投薬レジメンは可能な限りシンプルにするべきであり、1日1回または 2回投与するのが理想的である。

 

Martin Duerdenは "たとえこれが妥協を伴っても処方計画をどのように簡略化できるかを医師が見なければならない" と述べた。例えば、スタチンは就寝前に摂取するのが最善ですが、患者は他の薬剤とともに日中にスタチンを服用することが望ましいかもしれない。
King's Fund レポート医薬品管理に関する実務的留意点を提供している。例えば医師は、患者が何を摂取しているか知っていると決めつけてはいけない。ハーブ製品OTC薬を含む全ての持参薬について患者に訪ねるよう助言している。


Wildingは BMJに次のように語っています。「機会が生じる度に薬剤の数を合理化しようと試みることは、すべての医師における責任です。特定の薬剤処方理由は、患者によっては長く忘れられることがあり、場合によっては(処方)元の臨床医にも忘れられていることがあります。」

 

⌘ 感想

ポリファーマシーや処方カスケード、臨床試験結果の限界、ガイドラインの問題点、コンコーダンス等について考察されていた。処方薬剤の適正化は正に Evidence-based medicine(EBM)であると感じた。

 

本論文では医師と患者を中心に話が展開されていたが、薬剤師を含むコメディカルの協調は不可欠であり、これが医師の負担軽減、患者の不定愁訴発見等に繋がるのではないかと個人的には考えている。診断に基づき処方箋を発行する医師に、負担や責任が多くのしかかっている状況にあると感じているが実際はどうなのだろうか。患者に薬を直接渡している我々、薬剤師に責任が無い訳が無い。

 

現在ガイドラインは、推奨ではなく絶対的な治療方針のように扱われているが、ガイドラインに記載の無い困難な状況を打破するためには、論文情報が役立つことは言うまでもない。なぜならばガイドラインは一つ一つの臨床研究を総合的に評価、つまり論文化された多くの情報を基に構成されており、エキスパートコンセンサスを経て発行されているからだ。情報がまとまっている反面、世に出るまでに時間がかかり、情報が古くなっている可能性は大いにあり得る。

 

厚生労働省はファーマシー・テクニシャン導入を検討しており、そうすることで薬剤師をより専門的な業務に従事させようと考えているようです(右に倣えな気もしますが)。患者のための薬局ビジョンでも明文化されていましたが、薬剤師が求められていることは対人業務であって対物業務ではない。もしも対物業務に従事することに対して違和感を感じているのであれば、EBMを実践してみるのも一つの手です。

 

私は殊更に、あるいは積極的に "EBMを実践しましょう" とは言いません。しかし現状、薬剤師の武器の一つとして論文情報の活用、EBM実践を完全否定するのは難しいと感じています。EBMの 4つの輪や 5つのステップを意識することは、個別化医療の実現、PDCA サイクルを回すことであり、そこには用意された正解はありません。

 

情報は日々アップデートされています。昨日まで信じて行ってきた行為が、実は古いものであり、最悪の場合誤っていることもあります。論文を読み、これまで培ってきた知識や経験と合わせ、現在行える最適な医療とは何か、と今一度自身に問いかけてみてはどうでしょうか。

 

 

⌘ 追加情報

King's Fund:イングランドにある健康とケア改善を目的とする非営利団体。King's Fund Report を刊行している。

手の洗い方にもガイドラインがありますか? (WHO 2009)

⌘ 私的背景

インフルエンザや急性上気道炎の患者も減ってきて、ひとまず薬局内が落ち着きかけた時、ふと気になったことがある。診断や薬物治療にガイドラインがあるように "手洗い" にもガイドラインがあるのだろうか?

 

厚生労働省はインフルエンザの予防啓発に以下のようなポスターを使用(2016年11月発行)

http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou01/dl/poster28.pdf

マメな手荒いと、飛沫感染予防の為にマスク等で咳をまき散らかさないことである(ちなみに『うがい』は数年前に効果が薄いという研究結果を基にポスターから削除された)。

 

⌘ World Health Organization (WHO) が 2009年に手指衛生ガイドラインを発表

http://apps.who.int/iris/bitstream/10665/70126/1/WHO_IER_PSP_2009.07_eng.pdf

原文

http://apps.who.int/iris/bitstream/10665/70126/12/WHO_IER_PSP_2009.07_jpn.pdf

日本語訳(発行元:新潟県立六日町病院)

 

→ 日本語での要約があるのは非常にありがたい。

以下、一部引用:

f:id:noir-van13:20170306011736p:plain

→ 手ぴかジ◯ルとか息子とやんわり使用していたけど、ビタビタに掌いっぱいにした方が効果が高いみたい。意外。

 

f:id:noir-van13:20170306011738p:plain

 

→ アルコール製剤の時も思ったけど、めちゃくちゃ時間かかる。

 

⌘ 個人的には "その手は安全です" というキーワードがツボ

これだけ丁寧に洗えば、確かに手の汚れは落ちるかもしれない。

ガイドライン使用あるいは短時間の手洗いと、長時間の手洗い(例えば 30秒以上とか)とを比較した研究あったら良いのにな。Open-label になるだろうから、バイアス排除とエンドポイントの設定に気をつけないとトンデモ研究になりそうだ。あと Setting も multicenter で、、、などなど費用対効果が悪そうなことを考えている。

 

もう少しでインフルエンザや急性上気道炎の患者も、グッと減るだろう。その前に輪番が残っていますが、、、しかも耳鼻科。

EBM 実践における4つの輪(Evidence based practice における患者と医師の選択 BMJ 2002:Free)

www.ncbi.nlm.nih.gov

Physicians' and patients' choices in evidence based practice.
Haynes RB, et al. BMJ. 2002.

PMID:12052789

f:id:noir-van13:20170214010737p:plain

"Evidence does not make decisions, people do"

Figure.1 本文より引用

 

⌘ 結論

"エビデンスは意思決定をしない、(意思決定は)人々が行うのだ" というコトバと Figure.1 が全てである。Figure.1 より、エビデンスは 4 つの輪の内の一つであり意思決定には関わるが大部分を占めているわけではないことが分かる。

 

 

⌘ 以下、本文

Evidence based medicine (EBM) に向けられた批判、それは臨床家の手(自由)を拘束し、患者による最適ケア決定に至るための選択肢を奪う点にある。

 

実際に保険・衛生研究を実施するには多くの障壁がある。しかし概念的には臨床家の手を縛り、患者の選択(権)を奪うことは無い。むしろ患者の嗜好は、EBM の初期モデルに組み込まれており、その重要性は 2000 年頃に改訂された Figure. 1 で強調されている。

 

この図における臨床的判断では;

第 1 に、何が間違っていて、どのような治療オプションが利用可能であるかを確立するために、患者の臨床的および身体的状況を考慮(把握)する必要がある。

第 2 に、治療オプションは選択肢の有効性、実効性、効率性に関する臨床エビエンスによって調整される必要がある。

第 3 に、臨床医は各オプションに関連するであろう患者の嗜好性および可能性のある行動(彼あるいは彼女がどのような介入を受け入れる準備ができているかという点で)を考慮しなければならない。

最後に、これらの考察をまとめ、患者が受け入れやすい治療法を勧めるには臨床的専門知識が必要である。

 

いずれの状況においても、患者の臨床状態および状況が優先される可能性がある。例えば、僻地滞在間に胸の痛みを覚える人は、アセチルサリチル酸が唯一の有効な治療薬であれば、これを飲まざるを得ないかもしれないが、より大きなコミュニティ(都会?)では、より多くの治療法がある(一硝酸イソソルビドやニトログリセリン舌下、テープ剤等)。その他の例としては、過去に命にかかわる出血を経験した人のうち、輸血に対し批判的な宗教的信念を持っている人は、代替手段(医療)しか受け入れない可能性が高い。

 

対照的に、エビデンスのみでは意思決定を行えない。したがって、心房細動患者の抗凝固療法におけるエビデンスに基づく決定は、(過去の臨床試験によって)実証された抗凝固効果とその潜在的有害作用によって決定されるだけでなく、個々の臨床状況(例えば、患者の年齢や出血歴)および患者の好みが含まれる。例えば最近の研究では、脳卒中リスク低下の代償として許容され得る出血リスクが、患者毎で大きく異なることが示唆されている。さらに同研究において、ワーファリンまたはアスピリンによる(脳卒中予防に伴う)有害事象の出血に対して、一般的に患者は医療者よりも嫌悪感を示さないことが報告されている。


状況によって、患者によって(意思)決定は異なる可能性があるという概念は、ますます注目されている。
しかし意思決定に影響を及ぼすファクターについて、正しいバランスを取ることは必ずしも容易では無い。実際、患者にエビデンスを提供することで、患者が情報選択することは挑戦的であり、多くの場合、医師-患者間のコミュニケーションにおける現状認識を超えている。最大の課題は新たなエビデンス生成を待つことである。


EBM という用語は、臨床家と患者が意思決定を下す際に現在の最善のエビデンスにとどまることなく、敬意を払うことへの奨励のために開発された。代替用語としては、(より魅力的なものがあるかもしれないが)臨床研究で
強化したヘルスケアです。どちらの用語が適用されても、特に患者の希望が考慮されている場合は、臨床での実践においてエビデンスのより良い利用に自信を持つことができる。

 

⌘ 感想

個々の医療従事者が認識している、あるいは耳にしたことのある臨床試験の結果は極々一部であり、また目の前の患者に完全に当てはまる背景となると皆無に近い。

個々の医療従事者が論文を読むことに加え、患者の嗜好を考慮し、患者の置かれた環境、過去の臨床試験を用い総合的に判断することで、現状もっとも良いであろうと考えられる治療内容の提案、実施が可能ではなかろうか。そこには患者の理解度も重要であり、患者個々に合わせた平易な言葉が求められる。もちろんコンコーダンスという概念に従うのも良いと思う。

新薬ありきではない医療、コストベネフィットやコストパフォーマンスが日本でも注目され、昨年には HTA も導入されました。ここを好機と捉え行動するか現状維持のまま行くのかは個々の判断によります。ただ少なくとも、巷に出回ってるガイドラインの中には不適切なものもあることを知って欲しいし、妄信するのではなく『あくまで推奨』であると捉えて欲しい。

情報は日々アップデートされ、今読んでいる本、ガイドライン、論文は、すでに過去のものであるという研究結果もあるので、こちらについてもブログにアップしていきたいと思います。

私としては、エビデンスは心の拠り所であるとする考えが今のところ一番しっくりくる。

Evidence-based medicine (EBM) の必要性(Therapie 1996:Abstract only):Dear Dr. Sackett ①

www.ncbi.nlm.nih.gov

PMID:8881108

EBM の父、Sackett 先生の文献を読んでいこうと思い立ったので、気になった文献を読んでみたシリーズ①。

 

医師は常に最良のエビデンスに基づいて(診断や治療方針の)決定を下そうとする。このエビデンスは患者由来のデータに基づいて確立された事実ではなく、しばしば病態生理学的原理および論理の外挿を表す。無作為化比較試験の出現および増殖は、臨床歴および診察、診断、予後、治療、そして他の重要な医療問題に関する臨床的に有効なエビデンスの量および質の急速な増加をもたらした。その結果、臨床専門家の暗黙の非言語的推論の多くを明示することが可能になり、臨床的推論をより理解しやすくなっただけでなく、研修者が(情報に)アクセスしやすくなる。

エビデンスを追跡し、批判的に評価し、臨床実践に組み込む能力は「Evidence-based medicine」と名付けられている。有効なエビデンスの量が増えるにつれて、我々一人ひとりがそのエビデンスを同化し、評価し、そのエビデンスを最大限に活用するために必要なスキルを開発する必要性が生じる。しばしば我々は、臨床的に重要な知識に対する日々のニーズを特定したり解決したりせず、(結果として)臨床能力の漸進的な低下を招くことがある。私たちが知識を求めるとき、学術誌や教科書などの伝統的な情報源は、しばしば混乱(誤っている、まとまりがない)しているか、(情報が)古いものであるため、我々はしばしば同僚に頼っている。

臨床的に重要な知識を維持し、拡大する必要性は、医学教育を継続することのニーズが高まっている昨今において、部分的に対処されているが、どのようにして成し遂げるのがベストだろうか?

近年の評価により、3つの EBM 戦略がこれらの目標を達成するのに役立つことが示唆されている。具体的には ① EBM の習得、② 他者が作成した EBM 要約の検索と適用、そして ③ 他者が開発した EBM の受け入れ、などが含まれます。

 

 

→ あら?今、継続しようとしていることと大差ないかも。医療従事者一人ひとりが EBM を実践しようと医学論文に触れ、各々の考察を加えまとめていき、情報を共有、実際に活用することで EBM という非日常が日常に近づいていくのかもしれない。より良い医療の実現するその日まで。

 

プラズマ乳酸菌(JCM5805株)は風邪やインフルエンザを予防できますか?

www.ncbi.nlm.nih.gov

PMID:26234407

UMIN 試験 ID:  UMIN000017274

 

⌘ 背景

Lactococcus lactis ssp.※ lactis JCM5805 は、マウスとヒト、両方の種において形質細胞様樹状細胞(plasmacytoid dendritic cellspDC)を活性化するレアな乳酸菌である。pDC の活性化は NK 細胞や B 細胞、キラー T 細胞、インターフェロン(IFN)を活性化し、ウイルス感染予防に繋がるのではないかと期待されている。本研究では、冬季のインフルエンザ様病態への影響を評価するために、無作為化プラセボ対照二重盲検試験を実施した。

 

⌘ PICOT

P:健康な日本人 214 例(30-59 歳の男女・地域:東京、神奈川、千葉、埼玉)

 組入基準:試験開始前の血液検査(WBCRBC、Hb、Ht、MCV、MCH、MCHC、PLT、T-cho、TG、LDL-cho、HDL-cho、BUN、UN、Cre、UA、AST=GOT、ALT=GPT、γ-GT、γ-GTP、LD、LDH、CPK、CK、GLU)およびアンケート結果を基に 297 人から 214 例を選択

 除外基準:免疫疾患患者、肝障害、腎障害、心臓病、貧血、不眠症、ミルクアレルギー、重度の花粉症、18 ヶ月以内にインフルエンザワクチン接種を受けている、日常的に乳酸菌あるいはヨーグルトを摂取している、妊娠中あるいは授乳中の女性、アルコール依存症その他医師が不適であると判断した場合

I :JCM5805株のみを用いた乳酸菌飲料 100 mL/day、10 週間連続摂取

C:乳酸菌を含まないプラセボ飲料 100 mL/day、10 週間連続摂取

O:Primary → 風邪・インフルエンザ様症状の発症記録

    Secondary → 摂取前(0週)、摂取後(10週)における血液免疫学的検査

T:ランダム化比較試験、予防効果、2013年1月〜3月のうち 10 週間

 

⌘ ランダム化されているか?

ランダム化されている

→ 年齢と性別を基にコンピューターにてランダム化

 

⌘ ランダム割付が隠蔽化されているか?(selection bias は無いか?)

中央割り付けであると判断した

 

⌘ マスキングされているか?(ブラインドか否か?)

されている double-blind

 

⌘ プライマリーアウトカムは真か?

予防という観点では真であると判断した

 

⌘ 交絡因子は網羅的に検討されているか?

(可能な範囲で)されていると判断した

 

⌘ Baseline は同等か?

同等(Table 1 より)

 

⌘ ITT 解析されているか?

本文から推測するに Full Analysis Set(FAS)であると考えられる

 

⌘ 追跡率(脱落)はどのくらいか?結果を覆す程か?

問題無し

 ◯プラセボ群:107/107 = 100.0%

 ◯介入群:106/107 = 99.1%

→ 被験者はクリニックを3回(試験組入時、ヨーグルト摂取開始前、摂取終了後)訪問する予定であったが、介入群のうち 1 名は訪問しなかった。

 

⌘ サンプルサイズは充分か?

試験結果から充分であると判断した(一応計算してるのかな)

→ 本文に「38 人の健常者で行ったパイロット試験の結果から、統計学的有意差 5% を得る為に必要なサンプルサイズを 80 と推計」しており、本試験では 100 例を設定している。

 

⌘ Setting

芝パレスクリニック(東京都)にて実施。1 つの施設のみ

→ インフルエンザの流行状況(東京都)の 2013年のデータから、流行ピーク期間をカバーできてはいるが、いかんせん 1 施設のみというのが気になるところ。

 

⌘ 結果は?

 ◯Primary outcome

  風邪・インフルエンザ様症状の発症数:

  プラセボ群 14 人 vs. 介入群 7 人(P = 0.127, χ2 test)

  各症状:

f:id:noir-van13:20170122005303p:plain

(本文 Table 3 より引用)

  → 咳および発熱については有意差あり。特に介入群において Mild〜Severe の発生数は少ない。喉の痛みおよび頭痛については有意差無し。喉の痛みについては介入群において Severe は少ない傾向にあるが、頭痛の Severe は多い傾向であった。

 

 ◯Secondary outcome

  血液免疫学的検査:

  → pDC の活性化マーカーである CD86 は、介入群で増加していたが、プラセボ群では変化が認められなかった。

  → インフルエンザ罹患後に増加するとされる IFN-α および IFN-stimulated gene(ISG)15 は、両群ともに増加していた。

 

 ◯副作用

  →両群ともに副作用は報告されなかった(→ですよね〜)

 

⌘ 考察

今回用いられた(小岩井乳業株式会社製の)JCM5805 株の乳酸菌飲料 100 mL 中には、コロニー形成単位 1000 億個が含まれる。これは市販飲料に含まれる菌数と同じであった(気になる方は共同販売しているキリンさんの商品を検索してみて下さい)。

プラセボ飲料 100 mL は、JCM5805 株の乳酸菌飲料と同じ栄養構成(67 kcal、タンパク質 3.2 g、脂質 0.7 g、炭水化物 12 g)とのこと。

 

もう少し primary outcome について解析すると、

 ◯相対リスク RR:{7 / (106)} / {14 / (107)} = 0.066 / 0.131 = 0.504  50.4%

 ◯相対リスク減少率 RRR:1-RR = 0.496  49.6%

 ◯絶対リスク減少率 ARR:0.131 - 0.066 = 0.065  6.5%

 ◯治療必要数 NNT:1 / ARR = 1 / 0.065 = 15.38  16

であった。

 

乳酸菌飲料を摂取するだけで風邪やインフルエンザ(A 型 H1N1 のみ検討)の罹患や、一部症状の重症化を抑えられるのは良いかもしれない。しかも今回は 10 日間の摂取のみ。期間が延びれば効果差はさらに大きくなったかもしれない(変わらないかもしれない)。

アウトカム減少に至った詳細なメカニズムは依然として不明であり、本結果のみで JCM5805 株の乳酸菌飲料pDC の活性化を引き起こし、(いわゆる)免疫力を高めるとは言えない。また一部の地域のみで認められた結果であり、アウトカム発生数も少なく絶対差は臨床的に意義があるのかと問われれば不明。

整腸作用もあわせて期待するなら摂取していても良いのでは?と思う。500 mL 入りペットボトルなら 100〜130 円くらい。実際、風邪ひいた時の咳と熱ツライもんね。

 

最後に気になったのが、謝辞の項に "Authors have no financial support or funding to report" との記載。しかし author にはキリン株式会社の社員が含まれているので、当然資金提供はキリン株式会社。このような記載方法は正しいのだろうか?汗

 

色々と書きましたが、私は毎日ヨーグルトを食べています。

 

 

⌘ 追加情報※

  ssp. → subspecies 亜種のこと。subsp. とも標記される。

  sp. → species 種小名のこと。

  spp. → sp. の複数形。